WonderNotes 学生の可能性を可能にするポータルサイト ワンダーノーツ

2010.09.25

「父と母へ」

 

ラストエッセイ 第1回 ~学生コーチ 岩渕大地~ 】

 

 

岩渕

【写真中央下:岩渕大地(4年・学生コーチ)】

 

 

--------------------------------------

 

私は計画性がなく、頑固で、短気な人間である。

一度決めたら信念を曲げず、最後まで貫き通す。

他人の意見は聞かず、自分の意志や決断は絶対に曲げない。

 

私の性格を冷静に分析してみると、父と母の性格にそっくりなことに気づく。

 

小学校に入学したぐらいから、私はすでに野球を始めていた。

4つ上の兄の背中を追っかけて、一緒に練習しに行ったり、試合についていった思い出がある。

 

 私の野球人生には、常に両親の支えがあった。

父は、頑固で、短気だが、計画的な一面がある。

私の目から見ると、非常に熱い人間である。どんなことにも決して手を抜かない。

小学校時代は、毎晩父と練習したことを思い出す。

見たいテレビもあったし、やりたくない日もあったけど、毎晩練習した。

 

中学時代、部活動の朝練で父がバッティングピッチャーとして毎日何百球と投げてくれたことがあった。

肩が痛いと言いながらも、毎日投げてくれた。

それが当たり前だと思っていた自分が、今になって恥ずかしくて情けない。

 

高校時代、父が見に来た試合で私はホームランを打つことができなかった。

父が来ない試合に限って、ホームランを打つ自分。

ホームランを打つことができたのは、小さいころから一緒に練習してきた父がいたからだったのに、

結局父の前でホームランを打つことなく私は現役を引退した。

 

母は私の一番の理解者である。

私の考え、性格、すべて母には見透かされている。

高校最後の夏が終わった時、笑って終わりたかったからみんなの前では泣かなかった。

家に帰ってきて、母の前ですこしぼーっとしてたら

 

なんかわかなないけど泣けてきた。

そんとき、母も一緒に泣いてくれた。

 

二人で一緒に泣いた。母の涙をみたのは初めてだった。

 

母も頑固だが、父ほどではない。少し天然だけど、頑張りすぎるところがある。

だからこそ母の体調がいつも気になる。

私が卒業するまで母は働くと言っていたが、私の卒業は少し延びてしまった。

 

本当にごめん

 

だけど、絶対に頑張りすぎないでほしい。それだけは守ってほしい。

 

 

このブログで父と母へ感謝の言葉を書くのには意味がある。

私には、こんなにも素晴らしい父と母がいるのだということを、多くの方々に知ってもらいたいと思ったからだ。

父の厳しさと母の優しさは、私を大きく成長させてくれた。

 

私が選手をやめて学生コーチになった時、一番悲しかったのは間違いなく両親だっただろう。

だけど、そんな悲しさとかつらさとか私には少しも感じさせなかった。

 

「お父さんもお母さんも、大地が決めたことに全力で応援してあげるから、悔いのない選択をしなさい。」

 

そう言って私の決断を後押ししてくれた。

 

 

本当は、選手として神宮でもっと活躍する姿を見せてあげたかった。

 

けど、自分自身の決断は決して間違っていなかったと思っている。

 

私の性格上、私一人が喜ぶことよりも、みんなが喜んで、笑顔でいてくれる方が

「岩渕大地」という人間の生き方に合っている。

 

父も母もそういう人間だから、なおさらそう思う。

 

その答えが

  

選手としての活躍<学生コーチとしてチームの優勝

 

そうやって育ててくれた両親が、私の誇りである。

 

面と向かって言うとほんとに恥ずかしいけど、

次会ったときに伝えたいと思う。

 

お父さん、お母さん、

 

ありがとう

 

 

【学生コーチ 岩渕大地・4年・一関第一高校出身】

六大学野球ブログ一覧